水道橋の補強課題におけるPC鋼材の活用事例
水道橋の補強課題におけるPC鋼材の活用

神鋼鋼線工業では、PC鋼材の開発・製造を行っております。プレストレストコンクリート(PC)工法が日本に導入された当初から研究に取り組み、以来、PC鋼材の品質改良、量産化、新製品開発に傾注してきました。公共構造物や大型橋梁などをはじめ、今日に至るまで多数の実績を保有しております。
こうした鋼材開発技術が水道橋の補強にも活用できると考えております。
既存工法や部材では解決できない補強課題に
神鋼鋼線工業では、これまでに多くの既設構造物の補修・補強案件のご相談を受けてまいりました。長年PC鋼材の開発、改良に取り組み蓄積してきたノウハウを活かし、既存工法や部材では解決ができなかった補強課題などにも対応してきた実績がございます。また、鋼材開発だけではなく設置機材においても開発を承ることが可能です。
狭小スペース用ジャッキ開発事例
橋梁の架け替え工事を部分的に進めるため、特殊機材を開発。

これまでの実績を最大限に活かし、最適なソリューションを提供させていただきますので、狭隘部分をはじめとした制約のある環境下での耐震・補修補強をお考えの方はお気軽にご相談ください。
水道インフラを支える水道橋
上下水道インフラを支える水道橋は、地域の生活や産業に欠かせない存在です。橋梁上に水管を架設する構造は、河川や道路をまたいで配管を通すために極めて合理的ですが、その一方で独自の劣化要因や補強上の課題を抱えています。特に近年では、老朽化が顕在化し、計画的な補強工事の重要性がますます高まっています。そこで本記事では、水道橋補強の有力な選択肢となるPC鋼材の有用性を取り上げます。
水道橋特有の劣化要因
水道橋は、常に外気にさらされます。そのため、腐食が最も深刻な問題です。配管外面や支持部材は雨水や結露の影響を受けやすく、塗装の劣化や防食処理の不備があると、錆が急速に進行します。特に河川を跨ぐ橋では湿潤環境が常態化しており、腐食速度が高まる傾向にあります。
また、冬季には凍結防止のために保温材が巻かれることがありますが、その内部に水分が滞留しやすく、目視では気づきにくい隠れた腐食を引き起こす要因となります。さらに、交通量の多い道路上に設置されている場合には、自動車の排ガスに含まれる成分による化学的な腐食も見逃せません。
崩落事故に見る課題
2021年、和歌山市の六十谷水管橋が崩落した事故では、その結果、市全域が大規模断水に見舞われました。この事態は、水道橋の構造的脆弱性や、補修の難しさを浮き彫りにしました。
崩落を引き起こした要因としては、老朽化した構造部材の腐食、環境影響による劣化の進行、さらには点検時の“死角”に隠れた劣化が挙げられます。水道橋は通常、塗装や防食処理で腐食を防ぎますが、保温材や接合部の内部では湿気の蓄積や塗膜の劣化が進みやすく、目視点検では発見しづらい劣化を放置しやすいという問題があります。
こうした“目に見えない劣化”を前提に、徹底した予防策と革新的補修法の導入が強く求められる事態となりました。
5年に1回以上の定期点検義務化
こうした事故の発生を契機とし、国土交通省は令和5年3月に省令改正(令和6年4月1日施行)及びガイドラインの改訂を行い、「おおむね5年に1回以上の頻度での定期点検」を必須としました。
損傷・劣化その他の異状の有無や程度の把握を義務付けており、ますます点検や補強の重要性が高まってきています。
補強工事における施工上の制約

水道橋の老朽化や劣化に対応するには、補強工事が必要です。しかしながら、水道橋の補修工事には多くの制約があるため、難易度が高い工事となります。
ライフラインを維持しながらの工事
水道橋の補強は、通常の橋梁補修に比べて一層複雑です。理由の一つは、水道供給を止められない状況が多いことです。ライフラインを維持しながらの工事は、バイパス配管の設置や夜間限定工事といった追加対応を必要とし、工程の自由度を大きく制約します。
また、橋梁構造物と水管支持部が一体となっているケースでは、補強対象が鋼材・配管・支持金具と多岐にわたり、それぞれに異なる補修技術が求められます。特に狭い橋梁桁下での作業はスペースが限られており、安全確保と施工効率の両立が大きな課題となります。
点検・維持管理の難しさ
水道橋の健全性を確保するには定期点検が不可欠ですが、現場条件がそれを困難にしています。河川上空や交通路上にあるため、足場や仮設構台を設置しなければ近接目視ができません。結果として点検頻度が低下し、腐食や金具の緩みが見逃されるケースがあります。
近年はドローンや赤外線カメラを用いた遠隔点検も導入されつつありますが、配管の裏面や保温材内部といった“死角”は依然として残ります。こうした制約を踏まえれば、点検の手間を減らす工夫=腐食に強い部材の採用や耐久性の高い補強材の導入が合理的な選択肢となります。
高耐久なPC鋼材を活用したケーブル開発
こうした課題の解決方法として、防錆PC鋼より線などを用いた補強ケーブルが効果的です。
PC鋼材は、プレストレストコンクリートに使用される高強度の引張材であり、引張強さに優れるだけでなく、樹脂被覆や亜鉛メッキなどの表面処理によって高い耐食性を発揮します。これにより、水道橋特有の湿潤環境下でも長期的な耐久性が確保できます。

高耐久な部材開発
高い耐久性をもつエポキシ樹脂被覆PCケーブル「ECFストランド」やPC鋼材の切断・組み込みも弊社で行なっているため、設置する環境や条件に併せた製品をご提供可能です。
PC鋼材・ケーブルを活用した製品開発は神鋼鋼線工業へお任せください


プレストレストコンクリート(PC)工法が日本に導入された当初から研究に取り組み、今日までPC鋼材の品質改良、量産化、新製品開発を続けてきた「神鋼鋼線工業だからこそのノウハウ」を活用し、水道橋補強における課題解決に貢献いたします。
- 施工上の制約や厳しい環境下でも耐え得る新製品の開発
- 施工機材や緊張機材の開発
補強に関するお困りごとや、新製品開発のご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。



