動かせない・複雑な配管周りの耐震に|耐震ケーブルブレース
目次
配管周りの耐震施工時に想定される影響
工場や倉庫、ビルといった建物には、必ず配管が通されています。上水道や下水道、ガスや薬液などの配管が一般的ですが、電気配線や空調機の冷媒配管、換気ダクトなども配管に当たります。
しかしこうした重要な配管の存在が、特に後付けでの耐震補強をする場合に障害となることがあります。
耐震施工時に配管が与える影響と、それを解決できる「耐震ケーブルブレース」についてご紹介します。
施工スペースの制限
工場やビルでは、血管のように配管が巡らされています。太さや長さはそれぞれですが、機械の配置の都合などでどうしても一か所に集まってしまうことがあります。配管はパイプ部分だけではなく、エルボやチーズで曲がったり枝分かれしたりもしています。
また、配管はそれだけで設置されていることはあまりありません。長い配管には配管サポートを設置する場合がほとんどで、金具類や鋼材で固定されています。網の目のように張り巡らされた配管の向こう側にある建物本体に耐震補強をしようとすると、十分な施工スペースが確保できないこともままあります。
建物の外側の壁から耐震施工ができる場合は良いですが、耐震壁の向こう側にも配管が走っている場合などは耐震補強工事が困難なものになります。天井裏や床下のスペースも同様で、既設配管や配管サポート、躯体の鋼材などは後付けで耐震施工をする場合の大きな障害となり得ます。
配管の経路変更
耐震補強のために配管の経路を変更する必要がある場合、まず既設の配管を撤去することになります。配管と一口に言っても、用途によって様々な種類があります。どのような配管を、どのように使用しているのかが分かる図面や資料などがあれば、撤去や再配置の大きな手助けになりますが、建物が古かったり図面が残っていなかったりすると配管調査のための工数や費用が余計にかかります。
配管を再配置する際には、配管サポートも同じ位置に設置する必要があります。新築時の図面が残っていれば良いですが、現場が必要に応じて取り付けたサポートなどは図面が無いことも考えられます。こちらも現場調査で寸法を取る作業が必要になります。
また、大きなプラントなどになると機械設備を請け負う会社が複数社に渡ることもあります。この場合、既設配管の条件を知るのにも多大な労力がかかり、必然的にコストや工期が延びてしまいます。その上工事期間中は機械設備を止めなければならないため、生産計画の見直しなども必要になるでしょう。
施工時の破損による漏洩のリスク
配管を既設のまま耐震補強をする場合に注意しなければならないのは、工事中の配管破損による漏洩リスクです。壁面と配管の間を鉄骨ブレースなどで補強するスペースを確保できたとしても、施工中に鋼材をぶつけて配管を傷つけるリスクも考えられます。
配管の中を通っているものが流出した場合、漏水で機材を破壊したり人体に悪影響を与えたりと二次災害につながる危険性があります。
配管まわりの耐震に最適な「耐震ケーブルブレース」
上述のリスクをなるべく回避し、配管に配慮した耐震施工を可能にするのが耐震ケーブルブレースです。
狭小空間や固定設備(配管)があるエリアで施工可能
耐震ケーブルブレースは、従来の型鋼を使ったブレースとは違い、細径タイプでは作業員が一人で搬入できる重さと大きさになり得ます。必要な足場も最小限で済み、場所によっては高所作業車を用いて施工をすることも可能です。
大型機械本体だけでなく、それに付随する配管やダクト、照明器具や電線配管ラック等の移動を最小限に抑えることができます。
火を使わない施工が可能
耐震ケーブルブレースは、両端を専用の定着金具で留めます。柱や梁に数か所小さな穴をあけるだけで施工が可能なため、建物への影響も最小限で済みます。火花や溶接カスによる工場への悪影響もなく、火気厳禁の工場でも施工可能です。
※ 現場溶接の選択も可能です。
低コスト・スピーディー
足場の設置が最小限で済み、現場溶接も不要な耐震ケーブルブレースは、全体のコストを従来のブレース施工よりも最大41%抑えることが可能です。施工時に重機が不要で足場も最小限で済むため、工期も大幅に短くすることができます。
また、複数グリッドに跨る屋根向けで建設技術審査証明(BCJ-審査証明-198)を取得しており、品質の観点からも安心してお使いいただけます。
導入を検討されている設計者様へ
鉄骨設計は建物の骨格だけに失敗が許されないので、新工法は設計・施工に不安な点もあるかと思います。耐震ケーブルブレースは販売開始から10年以上が経過し、導入実績は200件以上と年々増加しております。初めて施工される時は、納入時または取付時など、ご希望の日時に弊社より指導員を派遣して、取り扱い説明をいたします。
設計上のご不明点は、ぜひお問い合せフォームからお聞かせください。関連資料もダウンロードできますので、検討のお役に立てたらと思います。
施工を希望されている施主様へ
弊社では信頼できる施工会社様をご紹介しておりますので、お気軽にお問い合せください。尚、お付き合いのある施工会社様での施工も可能です。