翠波橋
耐久性に優れ、ケーブルの振動や伸縮、素線間の動きにも追従できる酸化重合硬化型防食テープを用いたテープ巻き工法によって、吊橋主ケーブルの防食施工を行った。
- 【状況または問題点】
- 橋梁のケーブルの腐食が進行すると、強度が低下して素線やケーブルおよび接続金具が破断する恐れがあります。腐食したケーブルは取り替えが望ましいのですが、腐食が軽度な場合や取り替えが困難な場合はケーブルの延命策を図るケースも多数あります。しかし、構造用ケーブルは供用中、常に振動や伸縮を繰り返しているため、それに対応できる適切な防食方法が取られていない場合や所定の防食性能が発揮できない可能性があります。また、防食施工後もケーブルの点検が容易にできることが必要です。
- 【対応策】
- 本案件では鋼構造物用に開発された、太陽光、熱および酸素を吸収して表面を硬化させた硬化膜を形成する酸化重合硬化型の防食テープを採用しました。このテープは、ケーブルの振動や伸縮、素線間の動きにも追従し、ひび割れによる浸水がなく、下塗り材は錆の進行を抑える働きがあります。さらに、施工後も点検時にも、防食テープは容易に開封し復旧することが可能です。この酸化重合硬化型防食テープを用いたテープ巻き工法によって、吊橋主ケーブルの防食施工を行います。
- 【結果または効果】
- 1989年以来多くの実績があり、耐用年数は、使用環境にもよるが、約25年の防食性能が期待できる。
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