103名が参加した、私たちの共通の価値観を紡ぐ「クレド創造プロジェクト」。社員それぞれの考えや意見、想いが「神鋼鋼線クレド」には込められています。そのクレドが完成するまでの道のりと歩みを紹介します。
2018年10月から12月にかけ、約300名の社員が集まった「語り合う場」。自社の強み、弱みや将来の見通しについて、勤務地や立場の異なる社員が自由に議論することで、様々なキーワードが出されました。また、2019年1月から3月には、経営層(取締役・執行役員)でも「語り合う場」を持ち、「私たちの会社の方向性」を言語化し、全社員に共有されました。
これらを受けて「クレド創造プロジェクト」はスタートしました。計103名(22グループ)の社員がPhase1に参加しました。各部門・拠点で階層別にチームをつくり、「私たちは、会社は、どうありたいか」「ステークホルダーにどのような存在として認められたいか」という観点で、現状のGOOD/BAD両面から議論しました。
それぞれ多様なコメントに溢れたワークシートになりましたが、共通のイメージを共有していることも見えてきました。たとえば、「未来を見据えて新たなことに挑戦すること」「先入観にとらわれずに新たな価値を創出ること」「真面目かつ真摯に責任と向き合う誠実さ」「主体的に行動する前向きで自発的な姿勢」「風通しの良いコミュニケーション」「自分の仕事やここで働くことを誇れること」「お客様から長くお付き合いしたいと思っていただける信頼・安心」「多様性の尊重」などです。これらの議論を踏まえて、ありたい姿とその実現に向けた行動へと落とし込むべく、Phase2へとステップを進めました。
2020年2月21日、Phase1の代表者23名が集まりました。それぞれのチームに分かれ、まず最初に、Phase1の議論や経営層からのメッセージを踏まえて「ありたい組織・会社の姿」を議論。3つずつキーワードを抽出し、それらを実現するために従業員が大切にしなければならないこと(Value)を考えました。
そして、各チームから出てきたキーワードを俯瞰しながら改めて全員で議論した結果、私たちが価値を提供し続けるためには、「挑戦する」「団結する」「誇りをもつ」「未来を見据える」という価値観(Value)を大切にしていく必要がある、という結論に至りました。そこで、これらの4つの観点から、それぞれが最も必要と考える「Value」をワークで抽出した12個の中から選び、投票を実施。この結果をもとに再度全体で議論を深め、「挑戦」「感謝・信頼・共有」「意志」「躍進・成長」というValueを残しました。
こうして選び抜いた私たちが大切にすべき価値観をどうすれば体現できるのか、議論を深めていきました。 Phase2の最後に、これから私たちが実践していきたい行動をクレドの条文に落とし込むべく、それぞれの価値観を示す言葉に対して、「私が〜する」「相手に〜する」という2つの視点から象徴的な行動を言葉にしていきました。
「意志」 については、「誇りを持つためには?」という観点で議論が深められ、「誇りを持つには高い目標を持つことが必要だと思った」「意志には『当事者意識がある』イメージがある」「何かを成し遂げるには、約束を守ること、責任を果たすこと、強い意志を持ってやり切ることが必要だ」といった意見や、「相手を尊重することが大事だと思う」「嘘をつくと誇りが崩れていく、誠実であることが大事」といった意見もありました。
「感謝・信頼・共有」という点では、「団結するためには?」という観点で話が進み、「相手に分かりやすく伝えることで自分がやりたいことを理解してもらえて、結果的に感謝につながる」といった声や、「人のために動く、困っている人に手を差し伸べることが大事」「傾聴、尊重も意図しているところは同じではないか」といった議論を重ねながら言葉を絞り込んでいきました。
「挑戦」という観点では、「『自ら』『自分で』といった主体性を表す言葉を入れたい」「高い目標、新しいことが共通するキーワードであり、一つ上のステージへ行くイメージ」「『先入観を持たず』は良い言葉」「ニーズを採り入れるというのは、社内外の意見を聞くということ」「『一緒に』『汗をかく』といった言葉は当社にフィットするのでは?」といった意見が飛び交いました。
一方で、「成長・躍進」については意志を持った行動や挑戦、団結の結果であるととらえ、他の言葉へ統合することにしました。このようにして長時間をかけて議論を尽くした内容を、参加メンバーの一言一言を精査しながら取りまとめて事務局案を作成。言葉を磨き込むことで、共有することができたのです。
このように、Phase2に参加できなかった社員の声も代表者を通じて確かに共有され、多くの社員の想いがしっかりと反映された「神鋼鋼線クレド」が完成しました。私たちは社員全員で、誇れる未来を創るために全社一丸となることを決意しました。