橋梁ケーブルは一般的に10~15年で発錆が見られるようです。腐食の程度はケーブル技術者の点検により診断します。腐食が見られるケーブルは比較的早い時期に効果的な防食施工を行えば、寿命を延ばすことができます。
架橋当初のケーブルは素線に施された亜鉛めっきによって防食されておりますが、経年に伴い亜鉛が消失した後、ケーブルの腐食が始まります。
環 境 | 腐食損失 | 発錆までの年数 | ||
---|---|---|---|---|
Zn 重量
(g/m²/年) |
厚 み
(μ/年) |
計算値
(年) |
観察値
(年) |
|
工業地帯 | 119.0 | 16.6 | 2.1 | 2.3 |
海洋地帯 | 35.1 | 4.9 | 7.1 | 6.3 |
田園地帯 | 19.2 | 2.7 | 12.9 | 12.1 |
めっき線の亜鉛付着量は平均で247g/m²です。
(出典 日本鉛亜鉛需要研究会:亜鉛とその耐食性、昭和49年10月)
ケーブルの腐食が見られるようになると、適正な方法でケーブルを覆うこと によって空気と水分を遮断し、ケーブルの延命を図ります。
下表は代表的な防食方法です。
工法
特性 |
塗装工法 | プラスチック
カバリング工法 |
アンチメック®工法 |
---|---|---|---|
施工
概略図 |
|||
防食性能 | ○ | ○ | ◎ |
施工性
(施工費) |
◎ | × | ○ |
耐久性 | × | ○ | ○ |
保守性
(維持費) |
△ | △ | ○ |
総合判定 | △ | △ | ◎ |